平成十年正月日 肥前国住一吉作(佐賀)

本造り庵棟 うぶ茎 小板目肌、柾交じりよく詰む。地沸微塵につき、細かな地景顕われ、淡く沸映り立つ。刃紋は互の目乱れ、丁字交じる。匂い口フックラと小沸よくつく。匂い足、葉盛んに働き、金筋、砂流しよくかかる。匂い口明るく冴える。本名は中尾一吉。中尾忠次の子。堀井俊秀の門。入賞多数。出来良し。黒呂塗鞘打刀拵付き。