浪華月山雲龍子貞一造 慶應二年八月日 (大阪)

本造り庵棟 うぶ茎 小板目肌、杢交じりややザングリと肌立ちよく練れ詰む。地沸微塵に厚くつき、細かな地景よく入り、淡く沸映り立つ。刃紋は互の目丁字乱れ、尖り心の刃交じる。匂い口フックラと小沸よくつく。足、葉、盛んに働き、金筋、砂流し頻りにかかる。匂い口明るくよく冴える。本名は月山弥五郎。月山貞吉の養子。光顕斎、雲龍子、水勇子と号す。彫刻の名手。帝室技芸員。朱塗鞘打刀拵付き。(特別保存刀剣)