昭和十七年三月日 越後國光起造(新潟)

本造り庵棟 うぶ茎 小板目肌、杢交じりよく詰む。地沸微塵につき、細かな地景顕われ、淡く沸映り立つ。刃紋は湾れに互の目、小丁字、尖り刃交じる。匂い口フックラと小沸よくつく。匂い足、葉盛んに働き、金筋、砂流しかかる。匂い口明るく冴える。本名は遠藤仁作。独学ながら戦前の日本刀展において数多くの受賞を重ね、昭和十四年後鳥羽天皇七百年祭奉賛会奉納はじめ多くの謹作を務める。黑蛭巻鞘打刀拵入り。