加藤綱俊造 文政五年正月日 (武蔵)(東海道)

本造り庵棟 うぶ茎 小板目肌、柾交じりよく詰む。地沸微塵に厚くつき、細かな地景顕われ、淡く沸映り立つ。刃紋は中直刃、浅く湾れて小乱れ交じる。匂い口深めに小沸よくつく。刃縁ほつれ、喰い違い刃かかり、僅かに小足入り、葉働く。砂流しかかり匂い口明るく冴える。本名は加藤八郎。生国米沢。加藤國秀の子。綱英の弟。江戸麻布上杉藩邸にて鍛刀。晩年長寿斎と改める。水心子征秀門。青貝微塵塗黒笛巻鞘脇差拵付き。(特別保存刀剣)