卍正次作(東京) 大正八年二月吉日

平造り庵棟 うぶ茎 小板目肌、柾交じりよく詰む。地沸微塵につき、細かな地景顕われ、淡く白気風の映り立つ。刃紋は中直刃浅く湾れて小乱れ交じる。匂い口締まり心に小沸つく。刃縁ほつれ僅かに小足、葉働く。金筋、砂流しかかり、匂い口沈み心に冴える。桜井正次。青龍斎正次の子。金剛斎という。二代固山宗次門。有栖川宮威仁親王の相手鍛冶を勤める。(保存刀剣)