兼先治兵へ作(因幡) 二月十一日(山陰道)

平造り庵棟 うぶ茎 小板目肌、杢交じりよく詰む。地沸微塵に厚くつき、細かな地景顕われ、白気映り立つ。刃紋は互の目乱れ、尖り心の刃交じる。匂い口フックラと小沸よくつく。飛び焼き、棟焼き盛んにかかり、足、葉よく働く。金筋、砂流しよくかかり、刃中賑やかに明るく冴える。表に腰樋の彫刻。(特別保存刀剣)