肥後住兼嗣作範光彫之 丙申年八月日(熊本) (赤松太郎)

平造り庵棟 うぶ茎 小板目肌よく詰み、地沸微塵に厚くつく。細かな地景顕われ、淡く乱れ風の映り立つ。刃紋は互の目乱れ、丁字交じる。匂い口フックラと小沸よくつく。匂い足盛んに入り、葉働く。金筋、砂流しかかり明るく冴える。表に毘沙門天、裏に神仏互助の彫刻。木村兼定。木村兼重の門。彫範光(岩崎光男)