濃州住兼正以伯州砂鉄作之(岐阜)為○○ 昭和丁巳年霜月

本造り庵棟 うぶ茎 柾目肌よく詰み、地沸微塵につく。細かな地景顕われ淡く映り立つ。刃紋は湾れに互の目、丁字、尖り刃交じる。匂い口やや深めに小沸よくつく。湯走りかかり、足、葉よく働く。金筋、砂流し頻りにかかり明るく冴える。表裏に棒樋の彫刻。大野正巳、四方詰鍛の名手。黒呂塗鞘打刀拵入り。(1130g)