波平行安 (薩摩)(西海道)

本造り庵棟 うぶ茎 大板目肌よく練れ年輪の如く綾杉状に肌立ちよく詰む。地沸微塵に厚くつき、地景よく入り、淡く沸映り立つ。刃紋は中直刃、浅く湾れて小乱れ交じる。匂い口フックラと小沸よくつく。刃縁ほつれ喰い違い刃かかり、僅かに小足、葉働く。刃縁に細かな金筋絡み、砂流しかかる。匂い口明るく冴える。波平行安は大和鍛冶の系統で、平安時代末期から幕末迄、同銘が六十三代にわたり続きます。本作は室町中期の応仁頃の作です。黒呂塗鞘打刀拵付き。(特別保存刀剣)