骨喰丸が笑う日 第十六回

骨喰丸が笑う日 第16回 森 雅裕

 翌日は雨季の気まぐれか、曇天だった。朝のうちは霧が地上を覆っていたが、風が出て、それも消えた。雨が降らねば降らぬで、これまた厄介である。山間を歩いていると、

「飛行機がやたら飛ぶなあ」

 と、相笠曹長がいまいましそうに呟いた。ハリケーン戦闘機が低空を何度も飛来する。制空権を完全に握っているので、悠然たるものだ。時折、遠くから機銃掃射音や爆発音が聞こえてくる。

「動くものがあれば、片っ端から攻撃していやがる」

 相笠は嘆息したが、八七橋は相変わらずのどかな表情だ。

「探しものは俺たちかな。このへんをうろついてる日本軍は他にいない」

「便所に残してきたグルカ兵の死体はうまく流れてくれなかったようだ。見つかったんでしょう。それにだ、こうやって街道を避けて歩いても、原住民はどこかで俺たちを見ている。英印軍に豊富な物資をばらまかれりゃ、口も軽くなって注進に及ぶでしょう。しかし、こんなはぐれ部隊、英印軍も無視しそうなものだが」

「将官がいるとなれば、見逃しちゃくれないよ」

「……あの寺の坊主、もしくはインド国民軍が俺たちを売ったと?」

「おそらく」

 インドは親英派のインド軍と親日派のインド国民軍に分かれているが、互いに宣撫合戦をやっている。寝返りも起こり得る。

 ズブザ川はまた舟が必要だが、八七橋と馴染みの住民は対岸だ。こちら側にも舟があるだろうと川岸を探し歩くと、小舟が隠されているのを見つけた。近くに集落があるが、「貸りたい」と迂闊に接触すれば英印軍に通報される危険性もある。略奪禁止とはいうものの、八七橋は迷った。そんな彼の心中を察したのか、

「私が交渉します」

 アーシャが申し出た。舟の持ち主を探し、八七橋が持っていたイギリス軍の軍票で話をつけた。

「どうだ。彼女は光機関なんかより有能だろ。ぐははは」

 と、綿貫は高笑いだが、この男は人を嘲笑しても怒っているようにしか見えない。

 渡河で用心すべきは敵機の襲来だが、雨季の幕間は短く、また雨が降り出したのは天助だった。

 アーシャの働きでズブザを越え、ディマプールを出て三日目の午後、コヒマまで戻り着いた。市街地はイギリスによって開発されたが、その周辺には原住民が穴を掘って暮らしているような集落が点在している。そんな集落も戦禍のために無人となっていた。

「人類は原始時代からたいして進化していないのかも知れませんなあ」

 荒れ果てた集落に入り、八七橋が呟くと、

「進化していないのは日本陸軍だ。歩く軍隊は時代遅れだ」

 と、綿貫のだみ声には侮蔑が混じった。

「閣下は航空技術畑だと聞いています。飛行機は勝敗を分けますね。インパール作戦に入って以来、イギリス機はしょっちゅう見るが、友軍機を見たのは一回だけです。しかし、地べたを這い回る歩兵がいなければ、戦争は……」

「ふん。あのな、飛行機よりも戦争のやり方を一変させる兵器があるんだよ」

「何です、それは」

「お前らにいってもわからん」

 機動力を持つ連合軍に対して、ひたすら徒歩に頼る日本軍歩兵の脚力は鍛えられている。しかし、女連れでは足取りは遅れがちだ。有能なアーシャとはいえ、背嚢を背負い、敵との遭遇を避けながら雨の山道を歩くのは過酷だ。一日かけて十キロしか進めないこともある。これは予定外というしかない。

 それに加えて、綿貫のわがままも厄介だった。集落の空き家へ転がり込み、

「もう一歩も歩かんぞ。車を用意しろ」

 靴を脱いで、足を投げ出した。豆が破れて血が滲んでいるが、前線の兵士の足の悲惨さはこんなものではないから、誰も同情しない。

 アーシャも靴を脱いで、血だらけの足を手当てしている。彼女は泣き言も文句もいわない。

「おい。俺の足の手当をしろ」

 綿貫はアーシャに命じた。まるで女中扱いだ。

「アーシャはな、もともとは医者だ。たいした腕じゃないが、黄禍をまき散らす二等兵の医者よりは役に立つ」

「自分は軍曹であります、将軍閣下」

 と、ハカセが抗議した。

「こないだまでは軍医中尉でしたが」

「降等されたのか」

「アメーバ赤痢にかかった兵に粥を作ってやりましてね。上官からは赤痢は絶食療法と決まっていると怒鳴られたが、それじゃ体力がもたずに死んでしまうと、私は一歩も引きませんでした。赤玉の特効薬もありましたから兵は回復しましたが、上官には睨まれた」

「それだけか」

「その上官は自分がアメーバ赤痢にやられた時には、粥を作ってくれと懇願してきた。なけなしの米で作ってやりました。しかし、赤玉はすでに払底していたもんで、死んじまいましたよ。軍医部が赤玉を横流ししているという噂がありましてね。私がその犯人で、事情を知る上官を見殺しにしたということになりました。濡れ衣ですわ」

「こんなのばかりなのか、この部隊は」

 綿貫は相笠に訊いた。

「まともな部隊じゃ閣下のお世話はできない、という宮崎支隊長の判断です」

「お前もただの下士官ではなさそうだな。何をやった? 補給品の横流しか」

「そいつはそこにいる五右衛門の専門分野だ。自分は……」

「何だ?」

「いや。よしましょう。自慢話はしたくありませんや」

「けっ」

 彼らのそんなやりとりをよそに、八七橋は空を仰いでいる。雲が低く垂れ、間断なく雨が降っている。

「明朝も飛行機が飛ばないようなら……」

 そう呟くと、決断した。

「トラックを奪おう。俺たちがこのあたりをうろついていることは敵に知られてる。どうせ追いかけ回されるなら、徒歩より車の方が楽だ」

「いいぞ。よく決心した。お前ら、戦争よりも泥棒が得意そうだもんな」
 綿貫は手を叩いて賛成した。

 

 コヒマ市街の南に三叉路があり、英印軍がさかんに往来している。三叉路の西には激戦地の代名詞となったテニスコートがあり、その南に連なる丘陵には日本軍がイヌ、サル、ウシ、ウマ、ヤギと名付けた五つの陣地が並んでいる。両軍合わせて四千人の戦死者を出しながら一進一退、奪い合った修羅場である。さらに南のアラズラ高地には宮崎支隊が設営していたこともある。ここから街道を南下するとインパールへつながるのである。コヒマは英印軍の重要拠点であり、車両も大量に停まっている。

 車の運転ができるのは八七橋と相笠、工兵のバクだけである。綿貫少将たちに護衛をつけて相笠に指揮をとらせ、ヤギ陣地の麓に遺棄されたM4戦車の残骸の前で落ち合うことにして、八七橋はバクと五右衛門を連れて敵軍の集積所へ潜入した。

 ウマ陣地の西に倉庫群が広がっている。宮崎支隊は何度か物資を奪っているから、勝手知ったる敵地である。雨のせいで人影も少なく、戦勝気分なのか、警備兵も勤労意欲は乏しそうだ。

 隙間だらけの鉄条網をくぐり抜け、幌をかけたベッドフォード軍用トラックに目をつけて、悠然と近づいた。ずぶ濡れのまま、八七橋は運転席へ乗り込む。バクは助手席へ駆け込み、五右衛門は荷台で後方の警戒だ。

 エンジンをかけると、その音を聞きつけ、近くの小屋からイギリス兵が現れた。その怪訝そうな顔へ向けて、八七橋は「来なくていい」と横柄に手を振った。八七橋の容貌は日本人なのかインド人なのか、イギリス人の目には即座に判別できない。しかも軍服の上には英印軍のポンチョをまとっている。

 悠然と走り出し、邪魔な敵兵には警笛まで放って押しのけた。烈兵団と英印軍の死闘で、付近の樹木はあらかた吹き飛ばされている。荒涼とした丘陵の谷間を縫い、ヤギ陣地の麓へやってきたが、誰の姿もない。

「あいつら、何してやがる」

 付近の高台には英印軍の陣地がいくつも構築されており、監視の目が光っている。じっと待つのはいい気分ではない。

 バクは助手席で身を縮め、周囲をうかがいながら、いった。

「ねぇ、八七橋さん。イギリス野郎は怪しい奴を見つけたらとりあえず膝の皿を撃つというのは本当ですか。 次に足を引きずった奴が現れたら、スパイとして処刑するんだとか」

「イギリス人は日本人がそうすると噂しているよ」

 八七橋は荷台の五右衛門へ声をかけた。

「荷物は何だ。食料か。弾薬か」

「積んである木箱を開けておりますがね」

 五右衛門が銃剣を使って木箱を開けながら、

「食料でも弾薬でもありませんや。へっ」

 舌打ち混じりに笑った。

「和尚なら喜びそうですがね」

「何だ?」

「石像でさあ」

「石像?」

「インドの古い寺院にありそうな神様だか仏様だかですよ」

「ふん。東洋美術略奪部隊のトラックだったか」

「捨てますか」

「ここではやめておけ。敵の目がある。まあ、和尚の意見を聞こう。あいつらが来たぞ」

 待っていた連中が現れ、「席を空けろ」と綿貫は助手席に座り、兵たちは荷台へ這い上がった。八七橋はトラックを動かしながら、運転席と荷台の間の窓から顔を出した相笠に、いった。

「お茶でも飲んでたのか」

「よくわかったな」

「ほんとかよ」

「閣下が紅茶を飲まなきゃ一歩も動けんとおっしゃるのでね」

 彼らは分捕り品の紅茶を持っている。綿貫は雨衣から落ちる水滴で足元に水たまりを作りながら、笑った。

「ぶははは。雨の中でも火をおこせるとは、戦争はこんな馬鹿どもを少しは利口にするようだ」

 慣れた兵隊なら、焚き付けにする乾燥した小枝を持ち歩いている。火勢が強くなれば、濡れた生木でも燃える。

 八七橋はハンドルを切りながら、無表情に呟いた。

「煙が見つかったら集中砲火を浴びますよ」

「生水を飲んで赤痢になって、クソを垂れ流しながら死ぬよりはマシだ。そういえば、こいつら、燃えさしを持って駆け回りながら煙を散らしていたぞ。滑稽な奴らだ。ふん」

 その滑稽な奴らは積み荷を調べていたが、しばらく走ると、荷台から和尚が声をかけた。

「八七橋さん。このトラックの積み荷は凄いですよ。ガンダーラの石彫仏です。二世紀か三世紀あたりでしょう。それから青銅のシヴァやヴィシュヌもある。これは十一世紀から十三世紀と見えますからチョーラ朝かな。イギリスへ送るつもりなんでしょうよ」

「大英博物館は植民地からの略奪品だらけだからな」

「何なんだ、この部隊は。修学旅行にでも来ているのか」

 と、綿貫がわめいた。

「重い石像なんか積んでいたら速度が出ない。蹴り落としてしまえ」

 これには和尚が反対した。

「駄目です。貴重なインド美術です。価値のわかる者の手に渡すべきです。それが略奪者であっても、道端に放り出すよりマシです」

「ロンドンまで届けてやる気か。のんきな戦争だな」

「他にものんきな荷物がありますぜ」

 五右衛門の声が割り込んだ。

「蓄音機だ。それからレコード、いや音盤の山でさあ。欧米の歌謡曲もあればクラシックもある。戦場にこんなもの持ち込むとは、英印軍は余裕ですわ」

「イギリスの将軍閣下の趣味かもな」

 そんな無駄口を叩きながら南下して、コヒマから三十キロを越え、トヘマに至る。インパール作戦の初期において、第三十一師団の「左突進隊」としてウクルル、サンジャックを攻略した宮崎繁三郎の部隊はトヘマでインパール街道へ出て、ここからコヒマへと北上したのである。

 その宮崎支隊も英印軍に押し返され、じわじわと後退しながら、六月末までトヘマの南の村落マラムに布陣していた。十日以上前、囚人部隊が綿貫救出に出発した地点である。今では日本軍はすでに撤退し、イギリス軍が大手を振って往来している。何台かの軍用車とすれ違い、追い抜かれることもあった。

 インパール街道はイギリスが整備した舗装路だが、そこら中が砲撃や空襲のために穴だらけで、補修工事が行われ、渋滞が発生している。

「おいおい。いやな光景だぞ」

 行手に車両や兵士が集まっている区画がある。雨の中、数台のトラックがぬかるんだ交差点で立ち往生しており、後続車が列をなしている。

「トラックが渋滞するほどの物資輸送かよ。わが皇軍じゃあ戦争にならないわけだ」

 八七橋は速度を落として近づいた。前後に車両が続いているので、逃げようがない。憲兵の交通整理に従い、渋滞を抜けかかったところで、一人のイギリス士官が立ちふさがった。運転席へ近づいてくるのを見下ろし、八七橋は英語で怒鳴った。

「エンジンの調子が悪くて、ふかしてないと止まるんだ。さっさと行かせろ!」

「どこまで行くんだ?」

「ミッションだ」

 適当に答えたのだが、

「乗せてくれ」

 否応なく荷台へ回ろうとする。ようやく前の車が移動したので、八七橋はアクセルを踏み込んだ。背後の窓から荷台を振り返ると、イギリス士官は囚人部隊の兵が素早く引っ張り上げていた。置き去りにして騒がれるのを避けたのである。荷台の隅に座らせ、囲んだ兵たちが銃口を突きつけると、息をのんで硬直した。

 問題は便乗しようとしたのが一人ではなかったことだ。トラックがゆっくり進むうち、俺も乗せろと数人の英印兵が追いかけてきた。荷台に手をかける者もあった。そんな連中を乗せる気はないから、トラックは加速を始めている。さすがにおかしいと気づいた者たちが叫んだ。

「日本兵だあああああ!」

 荷台のイギリス士官も、

「降伏しろ! お前たちの安全は保証する!」

 自分の立場をわきまえない怒号を発した。その騒ぎを聞きつけ、周囲の英印軍の兵士たちがあわただしく動き始める。イギリス士官はなおわめき続け、

「そいつ、黙らせろ!」

 荷台の誰かが怒鳴り、それからどたどたと音が響いて、

「ぶちのめしてやった」

 相笠が八七橋に報告したが、それだけではなく、

「ジープが追ってきたぞ!」

 怒鳴り声が追加された。ジープ二台だ。発砲してきた。荷台の囚人部隊も応戦した。彼らは三八式などという前近代的な日本の小銃は持たず、装備はイギリス流である。ステン短機関銃(機関短銃)やブレン軽機関銃も携行している。盛大に弾をばらまき、ジープの一台は運転席あたりを撃ち砕いて崖から転落させた。さらに積み荷の木箱を荷台から突き落とし、もう一台はそれに乗り上げて横転した。

 しばらく走り、八七橋は追っ手が来ないことを確認して脇道へ逸れ、トラックを樹林の中に停めた。

「周囲を警戒しろ。……被害は?」

 八七橋が荷台へ回ると、散らばった空薬莢を捨てながら、相笠が答えた。

「とりあえず無事ですがね……」

 イギリス士官の左肩は血まみれで、ハカセとアーシャが手当てしている。

「破片が入ってる。取り出さなきゃまずい」

 消毒と刃物の準備を始めた。 

「敵なんか放っとけ」

 綿貫が吐き捨て、他の兵たちも無言で同意した。当のイギリス士官も、

「何をする。お前ら、麻酔もなしで切り裂く気か」

 抗議したが、ハカセは取り合わない。

「暴れないよう、押さえとけ」

 兵たちがイギリス士官の手足を押さえた。士官はもがいて抵抗したが、

「イギリス士官なら耐えろ。ジョンブル魂を見せろ」

 八七橋がそういうと、観念して静かになった。

 周囲を警戒していた兵たちは、

「味方が人質にとられても撃ってくる英印軍も冷たいもんだな」

「ふん。立場が逆なら、日本軍だって撃つだろ」

 愚痴っぽくそんな会話を交わしたが、綿貫はニタリと笑った。

「そもそも日本兵は敵軍の掌中に落ちたりしないことになっておる」

 この将軍が本気でそんなことを考えているのかどうかはわからない。

 八七橋は荷台の木箱を見やった。大小五、六個ある。

「おい。ジープに向かって、何を落としたんだ?」

 五右衛門が答えた。 

「蓄音機と大量のレコードでさあ。仏像だか神像だかは和尚が大切に扱えというもんで、落としてません。もっとも、我々の身代わりになって、ぶっこわれたものもありますが」

 和尚は砕けた木箱をかきわけていた。

「ひでぇよひでぇよ。木箱を弾よけの盾にしやがった……」

 和尚は残骸の中から、台座を含めて高さ二十センチほどの神像を取り出した。

「でも、こいつが無事だったのは僥倖です。荷物の中に青銅の神像はいくつかありますが、これが群を抜いて秀逸で、魅力的です」

 くびれた腰をくねらせ、踊っているようにも見える。胸の大きさを強調している。

「ディーヴィーです。女神です。十二、三世紀のものでしょう。日本なら平安から鎌倉の頃です。日本の仏像も棒立ちではなく、こうした躍動美を見せるようになる。面白いですなあ」

 綿貫が笑った。

「ふふん。お前が手にしていると、豚に真珠としか見えんがな」

「ハイ。それはマタイ伝の七章にある言葉です。真珠は神の教え、豚とは神に逆らう人です。悔い改めない人を無理に正そうとすると迫害を受けるぞという意味と考えられますが、もう一つの解釈もできます。無知蒙昧な人間を侮蔑しているわけではなく、そのように人を見下す心こそが豚であるという釈義です。つまり、これは自省の言葉なのです」

「ごちゃごちゃと御託を並べる男だなあ。へええ。お前、愛読書は聖書だというんじゃあるまいな」

「そうですが、何か」

「何だ、貴様。キリスト教徒なのか。スパイ中尉と気の合う仲間というわけだな」

 八七橋は小柄な綿貫を横目で見下ろした。

「閣下。あのですな。私の渾名は……」

「だから、スパイだろ」

「それは男子の間の渾名でね。女子には大仏と呼ばれました」

「それはまた御利益のなさそうな大仏だな」

「鰯の頭も信心から、ですよ」

「何をいいたいのか、わからん」

「私もです。……よし、ガラクタども、行くぞ」

 八七橋は兵たちにトラックへ戻るように指示した。

 手術を終え、イギリス士官は痛みに歯を食いしばりながらも、

「こんな汚い包帯なんか巻いたら傷が悪化する」

 と、染みだらけの包帯に不満を洩らしたが、

「これでも日本軍としては清潔な包帯だ」

 ハカセはかまわずに彼の肩をボロ布で縛り上げた。