濃州関住左衛門尉兼久 應永廿七年二月日 (美濃)(東山道)

平造り三ツ棟 うぶ茎 小板目肌、柾交じりよく練れ詰む。(地鉄精美) 地沸微塵に厚くつき、細かな地景よく入り、棒状の映りに白気移り鮮明に立つ。刃紋は中直刃、浅く湾れて小乱れ交じる。匂い口締まり心に小沸よくつく。刃縁ほつれ、喰い違い刃、二重刃かかる。刃中葉働き、金筋、砂流しかかる。匂い口明るく見事に冴える。表裏に棒樋に添樋の彫刻。本名は太郎左衛門、のちに六郎左衛門。法名道阿。直江志津兼俊の門。初め直江で鍛刀、のち関に移住。兼久の養子の兼安は得印派の祖。(特別保存刀剣)