昭和壬戌年十月日 肥前國住一吉作(佐賀)

本造り庵棟 うぶ茎 小板目肌、杢交じりよく練れよく詰む。地沸微塵に厚くつき、細かな地景顕われ、淡く沸映り立つ。刃紋は広直刃、浅く湾れて小互の目交じる。匂い口フックラと小沸よくつく。小足、葉よく働き金筋よく絡む。砂流しかかり匂い口明るく冴える。表裏に棒樋の彫刻。中尾一吉。中尾忠次の子。堀井俊秀の門。入賞多数。黒呂塗鞘打刀拵付き。